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胃腸にやさしい食事を心がけましょう

消化器科(胃腸科)の門をくぐる人の中には胃・十二指腸潰瘍(かいよう)で苦しんでいる方がかなりの割合でいらっしゃいます.胃・十二指腸潰瘍の最大の原因はピロリ菌ですが,これ以外に食生活,ストレス,喫煙や飲酒などが関係していることも分かっています.そこで今日は『胃腸にやさしい食事』を取り上げてみました.

●胃・十二指腸潰瘍になるのは?
胃壁からは強酸である胃酸(塩酸,pH1)が分泌されて食物を消化しています.この胃酸の働きで胃自身が消化されては困りますので,通常は胃壁から出る粘液で胃壁表面を覆って保護しています.ところが胃酸分泌が多くなったり,粘液が減ったりするとバランスが崩れて胃炎や潰瘍になるのです.このアンバランスの原因がストレスや喫煙,飲酒など.心当たりのある方は要注意です!
●胃にやさしい食事と生活
1.規則正しい食事を
1日3回規則正しい食事を摂り,生活リズムを守って,十分な睡眠を取りましょう.
2.タバコは大敵
喫煙は胃粘膜の血流を減らして粘液分泌を減らします.また潰瘍治療の薬を内服しても薬が粘膜まで届かなくなるため治療の効果が弱まります.
3.アルコールは禁物
濃度の高いアルコールは胃壁の粘液を洗い流して直接粘膜を傷つけます.
4.ストレスで胃酸分泌↑
ストレスがかかると胃の血流が悪くなるだけでなく,胃酸分泌↑となり潰瘍の原因となります.
5.熱いもの,冷たいもの,刺激物に注意
熱いもの,冷たいものは胃を刺激します.また味の濃いもの,香辛料をたくさん使った料理は胃酸の分泌を亢進するので食べ過ぎないようにしましょう.
6.固いもの,線維の多いものは少量に
固いものや線維の多いものは消化しにくく,胃に負担をかけるので食べ過ぎないようにしましょう.
●胃・十二指腸の手術を受けた方の食事
胃・十二指腸の手術を受けて退院されると,これまでの食生活とは違い多少の注意が必要になります.ここではそのうちいくつかの注意点を挙げます.
1.食事は5-6回に分けて
胃切除後に食べられないものはほとんどありません.ただし線維の多いもの,刺激の強いもの,脂っこいものは控えめにしましょう.また1度にたくさんの量は食べられないので,1日の食事を5-6回に分けたほうがよいでしょう.3食+おやつ,というパターンよりは間食も通常の食事に近いものが理想的です.
2.前期ダンピング症候群
食後30分ぐらいすると,冷や汗が出たり気分が悪くなったりすることがあります.これは食物が一気に大量に腸に入るためで,よく噛んでゆっくり食べること,食後に横になるなどの注意をすることで予防できます.
3.後期ダンピング症候群
食後2時間ぐらい経ってから冷や汗が出ることもあります.これは胃がないために糖分が急に吸収され血糖が急激に上昇し,さらにこれを下げるためにインシュリンが多量に分泌されて逆に血糖が下がりすぎるために起こります.これもゆっくりよく噛んで食べること,甘い菓子などの糖分を多く含む食品を避けることで予防できます.

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