厚生労働省が発表した人口動態統計では,平成17年の死因は
1位 悪性新生物(がん),32万6千人
2位 心疾患(心筋梗塞など),17万3千人
3位 脳血管疾患(脳出血,脳梗塞など),13万3千人
であり,1位の『がん』が2位以下を大きく引き離していることが分かります.この傾向は今後年々強くなっていくと予想されますので,今後は『がん』の早期発見・早期治療がこれまで以上に重要になってきます.
現在,日本では男性は肺がん・胃がん・大腸がんが,女性では乳がん・胃がん・大腸がん・肺がんが上位を占めています.
厚生労働省の予想では2015年には
【男性】
1.大腸がん(結腸がん+直腸がん)
2.肺がん
3.胃がん
【女性】
1.大腸がん
2.乳がん
3.胃がん
になるとされています.
つまり,これまで日本は世界に例をみないほど胃がんの罹患率が高い国でしたが,これからは胃がんは緩やかに減っていき,そのかわり大腸がんが急激に増えてくると予想されているのです.
それでは大腸がんを早期発見・早期治療するにはどうしたらよいのでしょう?
今のところ健診では『便潜血反応』が行われています.
たしかに便潜血反応は
①ほとんど苦痛を伴わない
②検査が簡便・安価である
という特徴がありますが,その反面
③進行がんで2-3割,早期がんでは5割の見落としがある
④便潜血反応が陽性になっても大腸に病気があるとは限らない
(鼻出血や歯ぐきからの出血,胃・十二指腸潰瘍などでも陽性になる)
などの欠点もあります.さらに
⑤1cm以下の大腸ポリープはほとんどが出血しないため便潜血反応陰性となる
ため,ポリープ(=前がん病変)の段階で発見・治療することは難しくなります.
厚生労働省の統計によれば現在は
2人に1人はがんにかかり,4人に1人はがんで死ぬ時代です.
日本人に多い胃がん・大腸がんを早期発見・早期治療するために,胃・大腸の定期的な検診を心がけましょう.
七草ファミリークリニックは消化器専門のクリニックとして経鼻胃カメラ・日帰り大腸検査にとくに力を入れており,胃がん・大腸がんの診断・治療に少しでも貢献できればと考えております.
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