女性は男性と比べると便秘の方が多いため,痔になりやすいと言えます.これは生理前に女性ホルモンの影響で腸の動きが鈍ることも関係していますし,一般に女性は便意を催してもガマンしてしまう傾向があることも関係しています.
また妊娠中には子宮の重さで骨盤が圧迫されますし,出産の際に強くいきむことにより元からある痔がさらに悪化する方も数多くいらっしゃいます.さらに出産後は育児で忙しくなるため病院を受診する余裕がなくなり,結果として高齢になってから初めて肛門科を受診する,ということも珍しくありません.
そこで・・【プレママへのアドバイス】
痔疾患は出産前に治しておきましょう!
【妊娠・出産と痔疾患】
妊娠初期:
人により違いますが,軟便になったり便秘になったりします.
妊娠6ヶ月:
お腹が目立ってくる頃になると,子宮が大腸を圧迫し,また運動不足も関与して多くの方は便秘になります.その結果,便が硬くなって裂肛(きれ痔)が多くなりますが,痔核(いぼ痔)はまだそれほど目立ちません.
妊娠7-8ヶ月以降:
骨盤が子宮により圧迫され肛門周囲や痔核がうっ血するため,痔核が脱出(脱肛)したり,痔核の中に血栓(血まめ)ができて痛みます.このような場合は下剤で便通を整え,軽い運動をし,ゆっくりと入浴して肛門の血流をよくして,軟膏・坐薬を使うと効果的です.この時期には手術は行いませんので安心して肛門科を受診しましょう.
出産後:
出産後2-3か月もすると会陰部のむくみが取れて痔核も縮んできます.脱出(脱肛)も軽くなり元の状態に戻っていきます.この頃に肛門の状態をチェックして,手術が必要かどうかを判断します.
【痔の予防のポイント】
トイレはなるべく短時間で.いきみすぎないように注意しましょう.
便秘や下痢は禁物.食物繊維を摂りましょう.
おしりは清潔に.可能であればシャワートイレを利用しましょう.
毎日お風呂に入る.入浴は血行を改善します.
おしりを冷やさない.
長時間同じ姿勢でいない.座りっぱなし・立ちっぱなしは肛門をうっ血させます.
アルコールや刺激物は控えめに.お酒や香辛料は肛門を刺激します.
適度な運動を心がけましょう.運動不足は便秘のもとです.
●七草ファミリークリニック
https://7793.biz/clinic/
七草ファミリークリニックのwebサイトはこちら
click
目次